| 豆知識
「冊子の部位」
唐突ですがみなさんは普段「冊子の部位」をそれぞれ何と呼んでいますか?
印刷発注書の担当者でもない限り、普段「牛の部位」は気にしていても「冊子の部位」なんて気にしたことはないと思います。
印刷を発注するときやそのデータを作る時に、「冊子の部位」をある程度知っておけば、印刷発注する際や印刷会社に問い合わせをする際に多少は便利になると思います。
ただインターネットで「冊子の部位」と言うキーワードで検索したら、私たち印刷会社でも普段使わないような名称や特殊な製本でしか出てこないような名称まで出てくるので、知らない方には一気に敷居が高くなってしまう可能性もあります。
そこで今回は「これだけは覚えておくと便利」という「冊子の部位」をご紹介したいと思います。
これだけは覚えておくと便利な冊子の部位
①天・・・本を立てた場合、上側にくる切り口(各ページの最上部)。
この部分を金色に塗ったものを「天金」といい、色染めをしたものを「天染め」と言います。
②地・・・「天」の反対側。本を立てた場合、下側になる切り口(各ページの最下部)。
③小口・・・一般的には「のど(綴じ側)」の反対側の切り口
広義には、本の「のど」を除いた3方の辺のことを指します。
この場合、上の小口を「天」、下の小口を「地」といい、のどの反対側の小口を「前小口」もしくは単に小口といいます。
天だけ(天金)でなく三方を金色に塗ったものを「三方金(小口金)」と言います。
④のど・・・綴じ側。本の中身が背に接する部分。
⑤背・・・本の綴じられている方(「のど」)の外側の部分。または、その部分を保護している表紙の部分。
通常は背文字がさまざまなレイアウトで書かれていて、本の検索性を高める役目を担っています。
印刷屋さんはちゃんと理解してくれます
このぐらいのことを知っていれば、冊子印刷を発注するときに少しは楽になると思います。
実際はほかに「見返し」「白ページ」「背文字」「前書」「後書」など良く聞く名称も載っていますが、この辺は知らなくても何とかなります。
ほかは表1・表2・表3・表4くらいを知っていれば十分です。
ちなみに表1は表表紙で、表2は表1を開いた裏側、表4は裏表紙で、その裏側が表3です。
説明としては少し簡単すぎますが、だいたい分かっていれば、印刷屋さん相手に十分話は通じます。
むしろ専門用語ばかり使ってくる印刷屋さんは要注意です。
上製本の部位
上製本の部位でも「天」「地」「のど」「小口」「背」などは同じです。
ただし「ちり」「束」「溝」「花布」「スピン」など通常の冊子印刷では聞き慣れない部位も出てきます。
上製本に限らず特殊な冊子を作りたいときはある程度の名称は知っておいた方が役に立ちますが、冊子印刷以上にその言葉に触れる機会は少ないかと思います。
印刷会社によって言い回しが違うことも
冊子の綴じ方で一般的な「無線綴じ」ですが、印刷会社によっては「くるみ綴じ」と表現するところもあります。
これはどちらも正解ですが、知らない人からすれば別の加工かと思うと思います。
このように印刷会社や営業マンによっても言い方や呼び方が違ったりする場合があるので、ここで紹介した知識はあくまで参考程度にしておいてください。