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画像はWikipediaより
「ゆめのくに」
本家「夢の国」の話
「夢の国」というと多くの方が、ネズミのキャラクターが有名なディズニーランドのことを思い浮かべるのではないでしょうか。
今回の新型コロナウィルス感染症予防対策のためのに現在休園中ですが、この休園の影響で1~3月期は東日本大震災以来、9年ぶりの赤字だそうです。
しかもその額87億円。昨年の同期間が159億円の黒字だったことを考えると、とんでもない損失だということがわかります。
そこで働く人はもちろん、商品を納めている業者さん、周辺の交通機関やホテル、お店などその影響は一体いくらになるんでしょう。
もちろんディズニーランド以外のテーマパークも休園により経済的に大打撃を受けていることはいうまでもありません。
こういったテーマパークはその性質上、密集や密接を避けられないうえ、アトラクションによっては密閉もあり3密になってしまいます。
早く再開されることを切に願いますが、実際はなかなか難しいんでしょうね。
それでもディズニーランドが簡単につぶれるようなことはないかと思いますが、わたしの地元奈良には閉園した「夢の国」の跡が今もひっそりとたたずんでいます。
元祖?「夢の国」
わたしの実家から歩いて15分ほどのところにはかつてその名も「ドリームランド」という名の遊園地がありました。
日本のディズニーランドを目指し、ディズニーランドを模倣しオープンしたと聞きます。
Wikipediaによると、ディズニーランドからノウハウを無償でもらい、建設時にディズニーランド側から技術者も派遣してもらったとのこと。
しかし、さまざまな経緯を経て、日本のディズニーランドではなく、ディズニーランドを模倣した「奈良ドリームランド」としてオープンしました。
その後、日本には本当の「夢の国」がオープンし、関西には「USJ」もオープン。
「奈良ドリームランド」は全盛期の4分の1まで入場者数を減らし、2006年8月31日に閉園となってしまいました。
覚えている限りでは、敷地内にはプールやアイススケート場もあり、同じ敷地内だったか周辺施設としてだったかは忘れましたが、パチンコとボーリング場も併設されていました。
遊園地へは子どもの頃に何度か家族で通ったり、小学校の時には園内で写生会もした記憶がありますが、遊園地としてより夏にプールに通った回数の方が多いと思います。
プールは私が中学生になった頃にリニューアルされ、「カプリプール」と言う名で流れるプールとしてテレビコマーシャルもやっていました。
ほかにも夏には花火大会が催され、始まった頃は毎週土日にやっていましたが、しばらくしてお盆の期間だけのイベントになってしまいました。
当時、子どもたちの間では近隣住民から騒音でクレームが来たとか、花火の火花が原因で近所の家の屋根が燃えたとか都市伝説的にささやかれていました。
花火だけではありませんが、週末になると遊園地から帰る車で近所の抜け道を含むあらゆる道が渋滞していたのも今となっては懐かしく思い出されます。
市内の遊園地
奈良市内にはほかにもう一つ近鉄グループが運営していた「あやめ池遊園地」という遊園地がありました。
こちらは市内とは言え、駅3つほど離れており、個人的にはそこまで地元感はありません。
それがかえって良かったのか、地元の友人たちと遊園地に行くと言えば「あやめ池遊園地」でした。
「あやめ池遊園地」も「ドリームランド」より少し前2004年に閉園しています。
ちなみに「あやめ池遊園地」の跡地は既に住宅地として生まれ変わっており、遊園地としての面影は残っていません。
また「あやめ池遊園地」には近畿日本鉄道の傘下だったOSK日本歌劇団の円形大劇場があったのですが、跡地は近畿大学付属幼稚園になっています。
夢の跡地
2006年に閉園となった「奈良ドリームランド」は、甲子園球場8個分の敷地がありますが、市街化調整区だったり、歴史的風土保存区域だったり、風致地区だったりと、規制も多く公売にかけても最初は買い手がつきませんでした。
その後、2015年に改めて公売が行われた結果、大阪市の不動産会社が破格の最低価格で落札したそうです。
落札まで時間がかかったこともあり「奈良ドリームランド」は閉園後も長い間、木製コースターなどのアトラクションなどは解体されずにそのまま残っていました。
私の実家は遊園地より低い位置にあるので家から園内の様子などは見えませんが、唯一開園当初からあるという「ボブスレー」と言う名前のコースターのコース途中にある岩山(張りぼての山です)だけが見えていました。
なので閉園のニュースは聞いていましたが、閉園後もずっとそこに山があったので閉園には気づかず、いつの間にか閉園したというちょっと寂しい思い出があります。
ちなみに晴れて音の通る日には、実家にいるとどのアトラクションの駆動音がかすかに聞こえ、お客さんの絶叫が響いていました。
そんな「夢の跡地」も落札の翌年から取り壊しが始まり、現在は完全に更地になっているそうです。
内部は立ち入り禁止となっており、周辺は木と草が生い茂って中をうかがうことはできません。
周辺
「奈良ドリームランド」は元々山の上にあり、少し奥まったところに入ると山道だったりします。
ちょっと探索すると、遊園地で飼われていたポニーの飼育小屋が廃屋となって残っていたりと、当時の面影がわずかに残っています。
規制により学校や福祉施設などの公共施設の様な開発しか認められないそうなので、色々とハードルは高そうですが、地元民としては広大な土地がただの更地として残っているのはやはりさみしいものがあるので、一日も早く再開発が始まることを願っています。