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3Dプリンターという魔法
先日爆弾を自作し逮捕された大学生の自宅から3Dプリンターを用いて製造したと思われる拳銃が発見されるという事件がありました。
今や3Dプリンターはかなり普及しています。
家庭用のものなら2万も出せば購入することができ、普通のプリンターとあまり変わらない価格になってきています。
業務用でも安いものは2~3万で手に入りますが、10万も出せば十分な機能を持った機種の購入が可能です。
3Dプリンターが出だした当初は印刷会社でも導入する会社もあり、新しい商品として普及するのではないかと期待されていましたが、販売店の話によると現在は当初の予想ほど普及していないそうです。
3Dデータの作成が容易でないのが原因とのことでした。
充分に発達した科学技術
そもそも材料とデータが必要とは言え、何の工作技術もなくても、物質を生み出すこと(厳密には生み出しているわけではないですが)ができる技術って、、、
SF作家アーサー・C・クラークが定義したクラークの三法則の一つに「充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かない」というものがあります。
近い未来に実現しそうな「自動運転車」にしてもそうですが、この3Dプリンターも、ほんの少し前までは「科学」ではなく「魔法」の世界の話だと思われていたはずです。
人間が想像できること
ですが我々人類はSF作家ジュール・ヴェルヌの「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」という言葉のように想像してそれを実現させてきました。
アメリカのSFテレビドラマ「スタートレック」では分子を材料として、実物とほとんど変わりのないコピーを作り出すことができる「レプリケーター」と呼ばれる装置が登場します。
空気中の分子から作り出しているので、材料も必要ありません。
また同じ要領で食事を作り出す「フードディスペンサー」という装置も出てきます。
この装置のおかげで「スタートレック」の世界では貧困や飢餓が無くなったという設定です。
3Dプリンターでできること
現代の3Dプリンターは、靴や入れ歯などのパーソナルなデータをもとに作成される一点物から、車の部品のような工業製品まで生産されています。
NASAではロケットのエンジンを3Dプリンターで作ろうという計画まであるそうです。
そのほかにも家や鋼鉄製の橋をかけようというプロジェクトもあるそうです。
またまだ「フードディスペンサー」とまでは行かないようですが、韓国で食べ物を「コピー」する3Dプリンターが開発されたというニュースもありました。
「4Dプリンティング」
印刷業界では予想ほど普及していない3Dプリンターですが、産業分野では導入が進んでおり、製造現場のデジタル化を推進する重要な要素となってきています。
その一方で技術はさらに発展しており「4Dプリンティング」という新たな技術も登場しています。
「4Dプリンティング」とは、温度変化などにより変形する性質を持つ物体を3Dプリンターで作る技術で3Dに時間軸を追加することから、「4Dプリンティング」と呼ばれているそうです。
「フードディスペンサー」で言えば時間経過によって「温度」や「味」が変化するというような考え方でしょうか?
いずれにせよまだまだ登場したばかりの技術のようなので今後を楽しみにしたいです。